バイオバンキングモジュール詳細
バイオバンキング(Bio Banking)に特化したこのモジュールは、以下の情報にアクセスするため生体試料(Bio Specimen)を効率よく追跡、管理する能力を有します。
在庫(Inventory) |
この施設内にある生体試料は何か?何処に何を発送したのか? |
入手元(Origin) |
この生体試料は何処から発送されたのか? |
経歴(Biography) |
この生体試料の提供者は誰か?提供時の付随情報は何か? |
系図(Geneaalogy) |
この生体試料から派生/分注された検体は何か? |
管理(Custody) |
誰が今管理しているのか? |
量(Quantity) |
この生体試料または関連する検体はまだ残っているか? |
同意(Consent) |
この生体試料採取にあたり、提供者の同意は得ているか? |
COC(ChainOfCustody) |
研究所内でこの生体試料は誰が/いつ/何処で/どのように処理したのか? |
以下に生体試料(=検体)の管理/追跡プロセス例に沿ってバイオバンキングモジュールの機能を示します。
1. 調査/研究の開始
- 調査/研究内容と検体収集の定義/追跡
- 調査/研究に応じた情報(採取ポイントや施設等)を定義
- DMPK(注1)等の外部リンクとの関連付け
- 調査/研究に対するコンセンサスの定義が可能
- バーコード付きキットの事前作成および配送
2. 検体の収集
- 臨床現場や協力関係のあるラボ、あるいは施設内部で検体を収集
- バーコードやRFID等のラベリング
- 試料の配送前の事前登録が可能
- データ収集で使用する入力フォームをサポート
3. 検体の配送
- 研究現場と保管場所が離れている場合、検体を宅配便で配送
- 梱包情報を入力して、遠隔地での検体移送を管理
- 配送中のステータスおよび処理状態を記録
4. 保管施設への登録
- 検体をシステムに登録し、保管庫内のどの場所 (ラック、9×9Box等)に保管するか決定
- バッチ入力により検体と配送物の関連付けの自動化が可能
- 受付済み検体はデータ入力待ちとなり、事前検疫等の追加設定が可
5. データ入力と確認
- 検体に関連付けられた調査/研究および収集現場に関する情報を入力
- 情報は、システムに電子的に自動読み込みされるか、または紙で取得しての手入力も可
- システム登録前にデータ管理者による承認処理をサポート
6. 検体の配布
- 冷凍庫等から検体の入出庫履歴を管理
- 配布の際には、ラベル付けしたバッグ、箱または輸送コンテナ情報を管理
- 受け取り側は、電子署名により受取を通知
7. 組織内での検体の追跡
- 科学者、施設マネージャおよび最高経営幹部は自分のデスクトップから検体情報(保管場所等) にアクセス可能
- 保管庫情報もシステム内で管理し、検体の解凍 回数を把握
- COC(ChainOfCustody)により、検体のライフ サイクルに合わせて位置情報を記録/追跡
8. 分注/分離検体の管理
- 検体の分注(Aliquots)/分離(Derivative)検体をシステムに登録し、さらにバーコードやRFIDを貼り付けて追跡
- 親検体と子検体の系図、新たな検体タイプと関連情報を管理
9. 検体の検査・分析
- 検体の分析結果や機器出力データをLIMSに蓄積
- 計測機器との直接接続や外部システムとの統合をサポート
10. 他施設への移送
- 検体の輸送や受取の手続きを行い、他施設へ確実に検体を移送
- 受領側は配送物の中身と付随するコンセンサス 内容を確認可能
- 受け取り側は、電子署名により受取を通知
11. 検体の返却・廃棄
- 検体を受領元施設に返却あるいは施設内部で廃棄・保管の手続きを実施
- COC(ChainOfCustody)により各検体の最終処分情報まで追跡可能
- 処分ステータスは破壊、消費、廃棄、紛失等
- (注1)DMPK:
Drug Metabolism and Pharmacokineticsの略であり、日本薬物動態学会(JSSX)が発行する英文誌。